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グラフの凡例
・最下段赤文字:アマチュアバンド周波数帯
・最下段黒文字:SWRのディップ周波数(MHz)
・横軸:周波数(3MHz~30MHz)
・黄線:SWR(スケールは右端の黄数字)
・赤線:SWRのアマチュアバンド内部分
・緑線:RESISTANCE(最下段を0として50Ω/div)
・紫線:REACTANCE(中央線を0として±50Ω/div)
・水色線:スミスチャート

2023/11/05
Experiment on End-Fed Halfwave Antennas(Part1)
EFHWアンテナの実験(Part1)

福生市民文化祭に参加した際に、実験した3.5~28MHz帯のEFHW(End-Fed Halfwave 末端給電半波長)アンテナの実験を行ったのでその結果を記録しておく。(福生アマチュア無線クラブの各局に感謝)

一般的にアンテナの発揮する性能は設置する環境や設置の仕方等により大きく影響を受ける。以下に記述する結果は供試アンテナの性能を直接表すものではなく、今回の環境・設置条件による実験で得られた結果に過ぎないのでどちらが優れているといったことを断定するものでもない。

供試アンテナは次のふたつであるが、半波長エレメントは同一のもの(公称40m)を使用し、測定には NanoVNA を使用した。

・ENDFEDZ 80-10-JR-KW 1KW ICAS(窓枠に接地)
・UAT-mult(仮名 Unknown Antenna Transformer、作者不明国内手作り品で「マルチ」のラベルあり)

半波長エレメントの長さは購入時の公称40mで実測しなかったのは残念であった。会館3階の窓(推定地上高10m)から約45m先の高さ4mの伸縮ポールに向けて張った。途中地上はフラットで樹木その他の障害物等はない。

公称40メータのまま、80-10-JR-KWを通して半波長に対応するSWRのカーブから、最小値は 3.18MHz にて1.8弱であった。3.53MHzを狙うとすると 40m×3.18÷3.53=36mとなる。

エレメントの末端を折り返してこの長さに近づけてSWRを見たところ3.45MHzおよび7.05MHzにて最小値が見られたところで、このエレメント長で各バンドの様子を測定することにした。

測定は各バンドについて個別詳細に測定したが、左図のように全体を一覧しやすいようにまとめた。黄線はSWR、赤線はアマチュアバンド内のSWR、赤字は周波数帯、黒数字はその付近のSWR最小値となる周波数(MHz)である。右端の黄数字はSWRのスケールである。(図によって異なるので注意)

約2m長の同軸ケーブルにて IC-9100 に接続して TUNE をとってみたところ、 80-10-JR-KW では 10MHz帯以外はすべて使用可能、UAT-mult では全周波数帯とも使用可能であった。図からわかるように UAT-mult の方が全体的に SWR が低く良好である。

半波長が周波数3.52MHzに対応するものとすると、理論的な共振周波数(MHz)は等間隔で次のようになるはずである。
  3.52  7.04  10.56  14.08  17.60  21.12  24.64  28.16

ところが 80-10-JR-KW の場合も UAT-mult の場合も必ずしも等間隔ではなく、理論的には存在しないはずの SWR のディップが見られる。その態様が異なることから、ワイヤのせいではなく、インピーダンス変換ユニットの関係で起きているのであろうかと思われる。

Part2 に続く